PROMINENCEⅠ和訳 OPTION 1
By admin | 5 月 24, 2008
東京書籍 PROMINENCE OPTION 1
Shibahama
(芝浜)
P.58
年の瀬も押し詰まっていたある日、勝の妻は彼を起こそうとしていた。
「起きて!おきて仕事へ行って!」
「は・・・何?仕事へ行く?分かった、行くよ、行くよ。」
「あなたは何日間仕事をしていないの?20日よ!あなたは、私たちに残りの人生ずっとその日暮しをさせるつもりなの?」
「もうやめてくれよ。眠たいんだ。あと1時間寝てもいいか?」
P.59
「いいえ、服を着て仕事へ行ってちょうだい!お願いだから!
今すぐに行かないと、魚市場に間に合わなくなってしまうわよ!」
「あ・・・分かった、分かった。怒鳴るなよ。行くよ!」
ゆっくりと彼は方に盤台をのせ、玄関から出て行った。
それほど経たないうちに、誰かがドアを強くノックした。
「ドアを開けろ!俺だ。今すぐドアを開けろ!」
「まあ、あなたなの?分かったわ、そんなに強くドアを叩かないで。」
そこには彼女の夫が立っていた。彼は怒っているようだった。
「外を見ろ。誰も俺を追いかけてきていないな?中に入れてくれ。」
「どうしたの?」
「どうしたって?お前が2時間も早く俺を起こしたんだろう?まだ暗くて、市場はまだ開いていなかったんだ!」
「まあ、ごめんなさい、あなた。もしかしたらお寺の鐘が何度鳴ったのか、私ははっきりとわかっていなかったのかもしれないわ。本当にごめんなさい、あなた。」
「まあ、いい。お前の間違いのせいで自分がそれほど幸運になるとは全く知らなかったよ。」
「どういう意味?」
勝は話し始めた。
P.60
「俺は魚市場が開くのを待っていて、キセルをふかしていたんだ」彼は言った。
「突然、俺は何かが海に浮かんでいるのを見つけて、キセルで自分の方にそれを引き寄せてみたんだ。それが何だったと思う?分厚い革の財布だったんだよ!」
彼は叫んだ。
彼はそれを妻に見せ、開いた。
「さあ、一緒に数えてみよう・・・2、4,6・・・それから2,4,6、・・・40両だ!
これでもう俺は働く必要がないんだ!」
喜んで、彼はもう1杯酒を飲んだ。
すぐに彼は、眠り込んでしまった。
彼は昼頃に目覚めて言った。「そうだ!俺たちはついているんだ!お祝いをしたらどうだ?」
彼は大勢の友達を連れてきた。
短時間のうちに彼は酔っ払い、再び眠ってしまった。
夜、彼の妻は彼に質問した。
「今日は何のお祝いをしていたの?」
「は?俺が芝浜で手に入れた財布を覚えているだろう?」
「芝浜?お財布?あなたはいつ芝浜へ行ったの?」
「もちろん、今朝だよ」
「あなたは今朝起きて、「俺たちはつているんだ!」って言っただけよ。それからあなたはここへ友達を連れてきて、楽しみ始めたのよ。
P.61
それだけよ。」
「何だって?いや、俺は芝浜へ行って財布を見つけた。俺はお前にそれを見せた。
覚えていないのか?」
「あなたはいつも働かずにお金を手に入れることを夢見てきたでしょう?
あなたはただ、昨夜おかしな夢を見ただけに違いないと私は思うわ。」
「夢だって?夢じゃなかった!」
「もう忘れてちょうだい。お願いだから、仕事に戻ってちょうだい。」
「いや、なんて夢なんだ。すまなかった、俺は酒を飲むのを止めるよ。前のように一生懸命働くよ。約束する。」
こうして彼の間違いは、彼を再び熱心な働き者にしたのだった。
一度心を入れ替えると、勝はとても一生懸命に働き、常連客を取り戻した。
3年の努力は、彼を大通りの良い魚屋の経営者にした。
その年の大晦日の日、彼の妻は真面目に話を始めた。
「この財布を覚えてる?」
「は?以前どこでも見ていないと思う。」
「3年前、あなたは芝浜でそれを見つけたのよ。」
P.62
「何だって?あれは夢だったんだろう?」
彼女は彼の前に膝を正して座り、涙を流して告白した。
「ごめんなさい!今からあなたに本当のことを話すわ。あなたはお財布を見つけた夢を見たのだと信じきっていた。
でも、あなたは本当にそれを見つけたのよ。ほとんどお金のやりくりが出来なかったあの時、暮らしがもっと良くなると考えると私は凄く嬉しかった。
でも、私はあなたに怠け者になって、お酒を飲むのにお金を全て使って欲しくなかったのよ。だから私はそのお財布を奉行所へ持っていって、あなたにいたずらをしたのよ。
あなたは私を怒っているでしょうね。
これを聞いて落ち着いていられる人なんていやしないわ。
想像してみて・・・お酒なしの3年間よ。
もう全てあなたに話したわ。お望みなら、私を蹴るか、殴るか、してちょうだい。」
「こんないい妻を誰が殴るんだ?
お前のいたずらのおかげで、俺たちは幸せな新年を楽しむことができるんだ。
お前には感謝することしか出来ないよ。」
「私を怒ってないの?それなら、大晦日をお祝いして飲みましょう。
あなたのためにお酒を買ったの。」
「ありがとう!」
勝はコップを口へとあげたが、それから・・・
「俺は飲まない方がいいな。」
「どうして?」
「夢になって欲しくないからさ」
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