CROWNⅠ全文 和訳 LESSON 7
By admin | 7 月 11, 2008
Not So Long Ago
そう遠くない昔
P.108
ケンとスンミは、20世紀の写真展にいる。
入り口のホールで、彼らは短い案内を聞いている。
P.109
ご来場の皆様、私たちの「20世紀を振り返って」の展覧会へようこそ。
私たちは、ここにおよそ300枚の写真を集めました。
それらは、過去の20世紀の歴史の何かをあなたに見せてくれるでしょう。
20世紀は、科学とコミュニケーションの偉大な進歩の時代でした。
人々の生活はより豊かに、そして快適になりました。
人々はより多くの自由と平等を手に入れ、幸せな生活を送るという夢にちかづいたかのように思われました。
しかし、20世紀は恐ろしい戦争の時代でもあり、何百万人もの人々が命を落としました。
ここの写真は、あなたや私のような人々が、20世紀に於いて何を経験したか、ということをあなたに見せてくれます。
それらを見ながら、「もしこれらが自分の家族や友達の写真だったとしたら、どのように感じるだろうか?」と自分に問いかけてください。
中には、あなたにショックを与える写真や、悲しませたり、怒らせたりする写真もあるでしょう。
しかし、それらはまた、私達の将来にメッセージを与えてくれているのです。
展示を見る前に、私たちにとって特に重要な2枚の写真を見せたいと思います。
P.110
まず、これを見ましょう。
この写真は、1945年に長崎で、アメリカ人のフォトジャーナリストであるジョー・オドネルによって撮られました。
彼は、最近この写真について日本人のインタビュアーにこのように話しました。
「私は、10歳くらいの少年が通り過ぎるのを見ました。
彼は背中に赤ちゃんを背負っていました。
当時日本では、私達はよく子供たちが弟や妹を背負って遊んでいるのを見かけましたが、この少年は明らかに違っていました。
P.111
私は、彼が深刻な理由でこの場所へやって来たのだということがわかりました。
彼は靴を履いていませんでした。
彼の顔は、厳しい表情をしていました。
その赤ちゃんの小さな顔は、まるでぐっすりと眠っているかのように、後ろに傾いていました。
その少年は、5、10分ほどそこに立っていました。白いマスクをした男たちが、彼のところへ歩いて来て、靜かに赤ちゃんを背負っていた紐を取り始めました。
その赤ちゃんが既に死んでいる、ということに私が気づいたのはその時でした。
男たちは、赤ちゃんの手足を掴み、火の上に置きました。
その少年は、動かずに、炎を見つめながらそこに真っ直ぐ立っていました。
彼は下唇をあまりにもきつくかみ締めていた為、血がにじんでいました。
その炎は、沈んでいく太陽のように、弱く燃えました。
その少年は、後ろを向いて、靜かに歩いて行きました。
P.113
もう一枚の写真を見てみましょう。
この写真を見たことがある人もいるでしょう。
それは、ベトナム戦争中の1972年に撮影されました。
このキム・フックという幼い少女は、洋服は焼けてしまい、痛くて道を走っています。
彼女は、その経験について、以前このように話しました。
私は何も聞こえませんでしたが、周りに火がありました。
そして、突然火のせいで、私の洋服が焼け落ちていました。
そして、私は自分の体、特に腕を炎が包んでいるのを見ました。
私は泣いていて、火から逃げ出しました。
私は、走って、走って、走り続けました。
私は病院にいました。14ヶ月間です。
私は体の半分に及ぶ火傷を治療する為に、17回手術を受けました。
そして、あのことは私の人生を変えたのです。
それによって、私はどうしたら人々を助けることが出きるだろうか、ということについて考えるようになりました。
両親が始めて新聞に載っているその写真を私に見せた時、私はそれが自分であるということが信じられませんでした。なぜなら、あまりにもひどかったからです。
私は、皆にあの写真を見て欲しいです。なぜなら、あの写真から、戦争がどのようなものか見ることができるからです。
それは、子供たちにとっては悲惨なことなのです。
私の顔を見れば、全てが分かるでしょう。
私は、それから人々に学んでもらいたいのです。
P.114
このように、写真は私達に多くのことを教えてくれます。
写真は、私たちに過去において何が起きたのか教えてくれます。
写真は、時に私たちが見たくないことを見せます。
20世紀は、戦争の時代でした。
2度の世界大戦、冷戦、そして世界中でより小規模の戦争が起きました。
ある日本人のジャーナリストは、20世紀を「苦悩の36000日」と読んだほどです。
もしかしたら、ここの写真の中に何らかの希望の表れを見つけることは、難しいかもしれませんが、努力すれば、それは出来るのです。
キム・フックの話は、良い例です。
多くの人々の、温かい支援によって彼女は、今カナダで家族生活を楽しんでいます。
彼女は言います。「私は、息子に母親に、母親の祖国に何が起きたのか、そして絶対に二度と戦争は起きてはならない、ということを示さなくてはなりません。」
二度と戦争は起きてはなりません。
これが、私たちが今日この展覧会を通じてみなさんに伝えたいメッセージなのです。
私は、これらが起きたのはそれほど昔のことではない、ということを皆さんに考えて欲しいのです。
ありがとうございました。
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